卒業式の説教「友のために命を捧げる」

精道学園高等学校で3月1日に卒業式があり、はじめに感謝祭が行われました。そこでの説教を掲載します。
みなさん、ご卒業、おめでとうございます。そして、保護者の皆様、心よりお慶びを申し上げます。卒業生の諸君は、まだ大学受験を控えて不安な日々を送っている人も多いでしょう。だから「めでたさも中位なり」と感じている人もいると思います。しかし、人生の一つの大きな節目であることに変わりありません。特に母親、父親の立場になってみれば、命の最初の瞬間から見守り、寄り添い、時には気を揉む心配事を乗り越え、今日ここに卒業を迎えることは真にめでたく、感慨深いものがあるでしょう。あらためて、おめでとうございます。このように、みなさんは多くの人に支えられ、守られ、愛されて成長してきました。
先ほど読まれたヨハネ福音書15章の言葉の通りです。「友のために命を捧げる、これ以上の愛はない」そんな愛や思いをいっぱいに受けて今日の日を迎えています。だから、まず神に感謝しましょう。そして、育ててくださった親に感謝しましょう。また、恩師という言葉がありますが、先生たちにも感謝しましょう。その思いを、これからの生き方で証してください。今度は、あなた方一人一人が誰かのために自分を与える立場になります。その責任を胸に刻んで旅立ってほしいと願っています。
ただ現代の世界情勢をみれば、不安定な要素が増大して激動の時代を迎えています。そんな社会で、友のために命を捧げていたら、命がいくつあっても足りない、自分が生きていくだけで精一杯だと感じることもあるでしょう。そうやって、みなが他人に関心を持たない社会になれば、それはどんな世界になるでしょうか?住みづらい社会になるでしょう。生きていくことが厳しい時代だからこそ、互いに手を取り合う連帯の精神が大切な時代になるでしょう。また強い人が弱い人を守ることがもっと必要になるでしょう。その先頭に立つ気概を持ってください。それが「精道スピリット」です。それは、聖書の言葉「わたしがあなたたちを選んだのは、行って、実を結ぶためである」、その実です。これを今日みなさんの魂に刻んでください。アーメン■(小寺神父)
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