復活祭「最初に福音を伝えた人」

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 それは誰でしょうか。イエス・キリスト?洗礼者ヨハネ?12使徒?いいえ、違います。それに応える前に「福音」とは何かを明らかにする必要があります。福音とは「よい知らせ」「幸せをもたらす知らせ」という意味です。その内容は「主イエスは復活した」これです。イエスが復活して最初にご出現したのは、マグダラのマリアでした。そして、イエスから「私の弟子に伝えなさい」と使命を与えられ、喜んで、走って、伝えに行きました。これが人類で最初の福音宣教です。だから最初に福音を伝えたのはマグダラのマリアです。この知らせは人から人へと受け継がれ、2000年を経てあなたのもとへ届きました。福音は、そこで終わりません。今度は、あなたがそれを人に伝える順番が巡って来たのです。

 復活節が始まりました。「主は復活された。アレルヤ」この時期の挨拶です。これはただの挨拶ではなく、この福音を伝える使命を思い出させます。あなたの人生にとって、この言葉はどんな意味を持っていますか?マグダラのマリアは喜びに満たされ心に平和が戻りました。主イエスが二番目に復活したのはエマオ出身の二人の弟子でした。彼らも復活したイエスに出会って、絶望に沈んだ心は再び燃え上がり、喜びにあふれて、すぐにエルサレムに引き返してペトロたちに主の復活を知らせに行きました。二番目に福音宣教した人です。復活したイエスに出会った人に共通していることは、喜びと平和です。だから、聖ホセマリアは福音宣教を「喜びと平和の種まき人」と表現しました。

 この平和は対立や争いがないという物理的な平和ではなく、霊的な平和です。神と出会い、神と和解した人の心の平和です。キリストが与える神の平和です。あなたの心に内的な喜びと平和がありますか?あるなら、もう主と出会っています。不安や不満がありますか?まだ、復活した主に出会っていないかもしれません。「主は復活した。アレルヤ」と挨拶出来ても、心の底から叫ぶことが出来ないなら、福音を伝えることはできません。これはただの情報ではなく、あなた自身が復活したイエスと出会った体験を、あなた自身の生活と仕事、つまり人生を通して喜びと真心を込めて人々に仕えることで伝えるものだからです。

 確かに主イエスは復活されました。しかし、出会いは一斉にではなく、一人一人に出現されたのです。今も続いています。出会っていない人も、探し、求めるなら必ず出会います。次は出会う秘訣についてお話しましょう。■
*復活祭、日中ミサ説教より(文責:小寺神父)

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